個人事業主になると、事業資金と個人財産が実質的には同じものになります。
生活費として用意しておいたものを事業に使うのも自由であり、事業で得られた収入は事業の成長のために使っても自分の私的な目的で使っても問題ありません。
しかし、お金の管理を正しく行っておかないと、会計処理で苦労することになります。
事業に必要な経費として何にどれだけ使用したか、私生活のためにどんな支出をしたのかを切り分けておくようにしないと、資金管理が難しくなるので注意が必要です。
最も単純な対策として、口座を切り分ける方法があります。
事業用資金と私生活用の資金は別の口座に置くようにして管理すると、失敗があまりありません。
口座の切り分けが合理的なのは資金の出し入れに関する履歴が正確に残ることであり、その内容についての記録を別に残しておけば会計処理は正しく行えます。
経費が明確になるので帳簿を作成するのも簡単であり、収入と支出に応じて適切な会計処理を行いやすくなるのがメリットです。
特に経費として計上するものが多くなってくると、一つの口座で管理をしていると後から会計処理をしたくなったときに取捨選択が難しくなります。
最初は口座を切り分けずともあまり経費がないので苦労しないということもよくありますが、個人事業主として長く働いているうちに様々な形で出費をするようになる傾向があるので気をつけなければなりません。
最初から切り分けをしておくと、後々まで楽に会計処理を行えるでしょう。